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教育資金の一括贈与の非課税制度

祖父母が孫に教育資金を一括で贈与する際、1500万円まで非課税となる制度が

今年の税制改正で決定され、本年4月よりスタートしました。

日本の個人金融資産1500兆円の6割を握るといわれる60歳以上の高齢者から、

子育て世代にお金を回す効果が期待されています。

 

制度の仕組みとしては、まず祖父母が信託銀行等で孫名義の口座を開設し、

1500万円までの教育資金を入金します。学校の入学金や授業料として必要に応じて

引き出せますが、教育資金であることがわかる書類(領収書など)が必要です。

ただ、30歳に達した日に使い残しがあれば、贈与税が課税されますので、注意が必要です。

 

 

制度を使わなくても援助できる

 

実施から3ヵ月、制度を利用する際に必要となる「教育信託」の申し込み件数は

1万件を軽く突破し、制度が終了する2015年末までに5万件以上の利用が

見込まれています。経済紙では教育信託の好調ぶりが報じられていますが、

児童のいる世帯数が1200万世帯以上もあることを考慮すると、

実際に制度を利用している人はひと握りといえそうです。

 

そもそも、祖父母が孫の教育資金を渡す際、一括ではなく、必要なときにお金を個別に

あげるぶんには、贈与税はかかりません。たとえば大学入学時に学費を援助する際、

2年目以降に必要となる授業料もまとめて渡すのではなく、1年ごとに必要な金額を

分けて払うようにすれば、原則的に課税の対象とはならないのです。

 

 

また、贈与税には年間110万円までの非課税となる基礎控除が設けれてあります。

一括贈与にこだわらず、毎年110万円以下の範囲で少しずつ贈与するのなら、

従来の税制でも特に負担はなかったといえます。

 

 

富裕層にとって大きなメリット

 

では、実際に新制度を利用するのは、どんな人たちなのでしょう。

たとえば祖父母が高齢で、孫がまだ小さいというケース。孫の大学入学時など、

将来的にまとまったお金が必要になるときに、自分たちが健在であるかわからないという

不安を持つ人のニーズにはマッチします。今後、基礎控除額が引き下げられる相続税と

天秤にかけて検討する人もいるでしょう。

 

ただ相続税の基礎控除額が平成27年から引き下げられるといっても、

遺産が3600万円(法定相続人が1人のとき)以下の場合は課税されません。

つまり、ある程度資産を持つ人が節税を考えたときにメリットがある制度といえます。

 

現実的には、孫はかわいいが、自分たちの将来も不安……

そんな高齢者が圧倒的に多いのではないでしょうか。制度を説明する文部科学省の

資料には、「教育費の確保に苦心する子育て世代を支援し、経済活性化に

寄与することを期待する」と記されていますが、お金持ちに限った話なのかもしれません。

 


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